【レビュー】ドラえもん のび太と妖精の国 90年代の不穏さっていいですよね【53本目】
それなりにドラえもんには思い出がある。アニメでいうと旧ドラ世代。大長編ドラえもんは映画館で観てたし、漫画も持ってる。
小学生の頃リアルタイムで所有していたソフトのうちの1つ。たしか妹のクリスマスプレゼントだったような…当時は自分も小学生でよくプレイしていた。ロックマンXもだけど、ちゃんと箱説完品でとっておけばそれなりの値段になっていたのに…後悔先に立たず。このソフトも完品で2500円くらいした気がする。先に感想を言ってしまうとめちゃくちゃ名作というわけでもないけどなぜ高いのか…
シリーズはその後も続き、スーパーファミコンでは4まで発売されるも、この「妖精の国」が1番高いのは他のドラえもんの出来があまりよくないのか…プレイしたことがないだけに、不安になった…
小学生の時のプレイでの印象はとにかく不穏。音楽や町の人との会話が不気味で、大長編でいうとパラレル西遊記の序盤とかを思い出す。内容は全然違うけど。
普通に怖い。
基本的なシステムは町の人に話を聞きフラグを立てる、怪しい場所に行くとアクションステージが始まる、という流れ。
トラウマゲーとまではいかないけど、そんなイメージのゲームを大人になってから再プレイするとどうなるか…
ちなみに説明書を見ると、ジャイアンがいつものび太をいじめているが、本当は正義感が強い…って…
たしかに大長編ではすごくいい人になりがちだけど、正義感が強い人はそもそも人をいじめません。
とりあえずゲームを始めてみる。
ドラえもんかわいい…
アクションパートでは最初はドラえもんしか選択できない。そもそも最初の目的が妖精の国に連れ去られたのび太達を探しに行くことだからだ。妖精の国に行くためには5つの神器が必要、ということで、アクションステージをクリアすると、なぜかなくなっているひみつ道具か、神器がもらえる。
アクションパートの操作感は、浮遊感強め。スーファミキャラゲーにありがち。クレヨンしんちゃんとかもそうだった気がする。
難易度は小学生の時はロックマンX級に難しかったように感じたんだけど、今はどうか。
セーブはパスワード制。
やたら濁点が多いのが気になるところだけど、パスワード制は嬉しい。スーファミはセーブポイントじゃないとセーブできないことが多くて気軽にやめることができないゲームが多かったりする。
よかったよかった、と思いきやこのゲーム、死なないとパスワードが表示されない。
つまりやめたくなったら何度も投身自殺を繰り返す…これはなんとかして欲しかった。
音楽は不穏だけど、そこがまたいい。凝った作りでサントラがあれば欲しいくらい。
システム面で言うと、このゲーム、状況に応じて武器を変えることができる。
お馴染み空気鉄砲は序盤から終盤まで役に立つ武器。
しかしここで1つ気になるところが…
この武器、見つけられなかったら初期武器のまま!
最初の方は明らかにわかりやすいところに置いてあるけど、だんだん嫌な場所に隠されてる。隠し武器ならまだしも、武器は普通にルート上に置いていいんじゃないかな。
ちなみに。クリア後神器がもらえると書いたけど、くれる賢者は時々質問してくる、例えば、
うーん、直球!!
まぁたしかにドラえもんって俺らは馴染みがあるけどさ、その存在を知らないこの賢者達からすると、そもそも青くて丸い生き物?でしかなくて…
馬鹿な質問をして人間の常識を知っているのか試している…?
という無理があるフォローをしてみたものの、子供向けと言ってももうちょい考える余地のある質問でも良かったのでは?
ドラえもんかわいい。
斜面でしゃがむとなぜかこうなる。
ある程度進むと妖精の国へ…
ここからおなじみのレギュラーキャラを選択してプレイできる。
それぞれのキャラにジャンプ力が高かったり、スピードが早かったりとパラメーターに個性を出してるらしいけど、ほぼそれを感じなかった。
このゲームはどら焼きを食べて体力回復する。しかしドラえもん以外はそんなに好物でもないのになんで回復するんだ?いや、そもそも好物だからといって体力が回復する理屈があるわけでもないし。まぁみんなお腹すいてるんだろう。
ただ妖精の国にどら焼きが落ちてるってどうなの…
それぞれのステージを進めるとボスがいる。そこまで難しくはない。
ボスはそれぞれいいデザインだったし、工夫して倒す感じも楽しめた。
武器によっては上に打てたり下に打てたりできるので、武器の特性を活かして戦うことになる。
強いて言うなら、このジャイアンステージが面倒くさかった。ステージの迷路っぽさがかなりイライラさせられる。あのジャイアンが迷路…ジャイアンイライラしすぎてヤバそうだけど…
ボスもなかなか攻撃が当てづらく、ボス達の中では1番強かった。
全員合流。よかったね。
ラスボスの音楽もいいけど、このステージの音楽が1番好き。
調べたところサントラは存在しないっぽい。残念・・・
いよいよラスボス戦。よく聞くおなじみのセリフで始まります。
「おまえたちのちからではわたしをたおすこはできん。」
いやいや、倒します。
ラスボスの割に意外と小さいと感じたけど、キャラごとに連戦することに。ラスボスの攻撃のバリエーションがキャラごとに違います。このラスボス戦の音楽もいいです。テンションが上がる。
ただ、基本この雷が出る太鼓を打ちまくれば勝てるっていう。
このラスボスがよく斜め上にいるから、よく当たる…
最後もおなじみのセリフ。
なんどでもよみがえる系…
まぁその通りではある。
人間がいなくなったら地球の環境は良くなるだろう。
ラスボスの言う通りだけどドラえもん達はどんな回答を示すのか・・・?
うまれたのかな?って疑問で終わる・・・まぁ、結局環境を大事にしよう的なことを言うけどさ・・・環境問題をテーマにしてるけど、少し安直すぎるような気が。
なんかもっと葛藤があってもよかったんじゃないかな。
最後エンディングにキャストということでそれぞれのキャラクターが紹介される…スタッフロール的な。
謎にフルネーム。これいる?
おしまい。
小学校低学年以来のプレイで、当時死ぬほど難しく感じたのに、全然そんなことなくて複雑な気持ちになりました。いくつかのステージはそれなりに難しくはあるけど。いいところは音楽だな、90年代の不穏さをよく表している気がする。あとひみつ道具をいったん全部失ってしまう設定もよかったな。タケコプターが手に入って飛ぶ時とかやっぱテンション上がったもんな。
悪いところは設定の甘さ。子供向けな割に、想定してる子供がプレイするとたぶん難しい。あとドラえもんが必死に集めたひみつ道具の武器を合流前にのび太やジャイアンが使えるのはおかしい。キャラゲーだから多少のことは目を瞑るけど、不穏さをもっと前面に出して設定もそれなりに詰めて欲しかったな。
しかし懐かしかったな〜90年代感を味わいたいならサクッとプレイできるしオススメです。
コンプリートまで残り1394本…